歯のメインテナンスについて

「もっと早いうちに歯医者さんに来れば良かった…」

この言葉を私たち歯科スタッフはよく耳にします。

日本人の約8割が歯周病に感染していると言われています。

この歯周病が身体全体の健康に影響を及ぼすことは、昨今の研究で明らかになってきています。

 人間の口は私たちが食べていく上で必要な栄養を補給する “唯一の入り口” であり、その口や歯の健康状態が悪化してしまうと食べ物がよく噛めなくなることや、飲み込むことができなくなってしまいます。

歯には食べ物をかみ砕く以外にも、脳の血液循環を活性化させ、目・耳・鼻・頭・背骨などにも大きな影響を及ぼす等、口の中の健康が身体全体の健康に直結するのです。

 統計では日本人の95%が歯みがきをしています。その内の73%が1日に2回以上磨くことがわかっています。しかし実際の歯磨きだけでは、歯の汚れは61%しか落ちてはいません。なので、歯科医院で行うプロケアが必要なのですが、基本的に日本人は『歯科医院とは、歯が痛いときや悪くなったときに、治療をするために行くところ』という概念が根強く残っています。歯に異常が無くて定期的に歯科医院に通う人は10%以下だそうです。しかし、アメリカやスウェーデンなどの先進国の子どもからご年配の方まで、日本とは正反対の概念で『歯科医院とは、歯を治療しなくて済むように、定期的に行くところ』と考えています。その意識が定着しているので80%以上の人が定期的に歯科検診・お口のクリーニングを喜んで受けています。

 歯周治療を受けると、歯周病菌が減少し、良好な歯ぐきの状態が得られ、歯の保存に重要であることがわかっています。でも治療終了後、定期的な管理をしないと歯周病菌が増加したり、噛み合わせが変わったりして歯周病が再発することがあります。

そうならないようにするメインテナンス時の治療内容とは

  • X線検査
  • むし歯や歯石の有無

  • 歯周ポケットの深さ・出血などの歯ぐきの状態

  • 動揺(歯のぐらつき具合)

  • 義歯や補綴物の状態

  • フッ素化合物の塗布

これらを調べ、歯科衛生士が専用の器具を使い、歯や歯ぐきの間についた歯石や歯垢を除去します。さらに、歯の表面の汚れをとることにより、歯垢がつきにくくなります。

このメインテナンスの間隔は、歯周病の重症度や歯みがきの状態などによって人それぞれ違いますが、2~3ヶ月ごとに受けられることをおすすめいたします。

歯周病は、患者さんご自身での進行や再発を自覚することは大変難しく、自覚をするころには噛めるように歯を残すことが厳しい状態であることがほとんどです。歯を失わずにすむようにするためにも、歯科医院での定期的なメインテナンスをお受けください。

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